フリーランスとして請求書を作るとき、「自宅住所まで書かなければならないの?」と迷う方もいるでしょう。
適格請求書(インボイス)の必須記載事項に、発行者の住所は含まれていません。したがって、インボイスを発行するからといって、自宅住所まで記載する必要があるわけではありません。
ただし、取引先が独自の請求書フォーマットを指定し、住所の記載を求めるケースはあります。本記事では、請求書における住所の扱いと、自宅住所を書きたくないときの対処法を紹介します。
- 請求書に住所を書く必要があるのか
- インボイスで住所が必須なのか
- 取引先から住所を求められたときの対処法
- 自宅住所を出したくない場合のバーチャルオフィス活用法
編集長こうじ請求書だからといって、必ず自宅住所を記載するとは限りません。まず必要性を確認してから、住所をどうするか判断しましょう。
フリーランスの請求書に住所は必須ではない


適格請求書1の記載事項を見る限り、発行者の住所は必須項目ではありません。国税庁が示しているのは、氏名または名称、登録番号2、取引年月日、取引内容、税率ごとの金額などです。
請求書の住所について確認したいポイントは以下の3つです。
- インボイスの必須記載事項に住所は含まれていない
- 取引先から住所の記載を求められる場合がある
- 住所以外に必要な記載項目を確認する
では、それぞれ詳しく見ていきます。
インボイスの必須記載事項にも住所は含まれていない


インボイス制度に対応した請求書でも、発行者の住所は必須記載事項ではありません。
国税庁では、適格請求書に必要な項目を次のように定めています。
- 適格請求書発行事業者の氏名または名称・登録番号
- 取引年月日
- 取引内容
- 税率ごとに区分した対価の額・適用税率
- 税率ごとの消費税額等
- 書類を受け取る事業者の氏名または名称
この中に、発行者の住所はありません。
そのため、「インボイスを発行するフリーランスは、自宅住所も請求書に記載しなければならない」というわけではありません。
取引先から住所の記載を求められることはある
インボイス制度上の必須項目でなくても、取引先から住所の記載を求められる場合があります。
たとえば、取引先から指定された請求書フォーマットに「住所」の入力欄が設けられているケースです。経理処理や取引先管理のために、独自の項目を設定している企業もあります。
そのため、「必須項目ではないから住所欄は必ず空欄でよい」と考えるのではなく、取引先の指定を確認しましょう。
自宅住所を伝えたくない場合は、住所を省略できるか担当者に確認する方法があります。了承が得られれば、自宅住所を請求書に載せる必要はありません。
請求書には住所より先に確認したい記載項目がある
請求書を作る際は、住所の有無だけでなく、取引内容や金額など必要な情報がそろっているか確認しましょう。
適格請求書を発行する場合、登録番号や税率ごとの金額、消費税額などの記載が必要です。住所を載せていても、これらが不足していればインボイスとして必要な記載事項を満たせません。
とくに適格請求書発行事業者として登録しているフリーランスは、住所を書くかどうかだけに意識を向けず、登録番号や消費税額なども確認してください。



請求書に住所が必須ではないと分かれば、自宅住所をむやみに記載せずに済みます。ただし、取引先独自の書式がある場合は、事前に確認しておきましょう。
請求書に自宅住所を書きたくないときの対処法


自宅住所を載せたくない場合は、いきなり別の住所を契約する必要はありません。
まず取引先へ住所なしで受け付けてもらえるか確認し、住所が必要なら事業用住所を用意する方法があります。
まず取引先に住所なしで受け付けてもらえるか確認する
最初に確認したいのは、住所を省略した請求書でも受け付けてもらえるかどうかです。
取引先から指定された書式がなければ、自分で作成した請求書を使えることもあります。その場合、インボイスに必要な記載事項を満たしたうえで、発行者住所を載せない形にできます。
一方、住所欄のある指定フォーマットを渡されたときは、自己判断で空欄にするよりも担当者へ確認したほうが確実です。
住所なしで問題なければ、請求書のためだけに別の住所を用意する必要もありません。
事業用住所としてバーチャルオフィスを利用する
取引先から住所を求められるものの、自宅住所はできるだけ伝えたくない場合、バーチャルオフィスを選択肢にできます。
バーチャルオフィスは、実際の事務所を借りずに事業用住所を利用できるサービスです。GMOオフィスサポートでも、事業用住所をWebサイトなどに利用でき、プランによって法人登記や郵便物の受け取りにも対応しています。
請求書を数回発行するだけなら、住所のためだけに契約する必要性は高くありません。一方、請求書以外にもWebサイトや名刺などで自宅住所を使いたくない場合は、プライベートと事業の住所を分ける意味が大きくなります。
請求書への記載を含め、自分が予定している用途で住所を使えるかは、契約前に確認してください。
請求書以外にも使える事業用住所を探している方は、GMOオフィスサポートを個人事業主が利用するときの料金・使い方・注意点も参考にしてください。
請求書と税務署へ提出する住所は分けて考える


請求書に記載する住所と、税務手続きで使用する住所は分けて考えましょう。
所得税では、国内に住所がある場合、原則として住所地が納税地になります。住所地とは別に事業所などがある場合には、その所在地を納税地とすることもできます。
つまり、「請求書に自宅住所を書かない=税務手続きでも自宅住所を使わなくてよい」という意味ではありません。
たとえば、取引先へ渡す請求書では自宅住所を載せず、税務手続きでは住所地を使用するケースもあります。
開業時の住所について詳しく知りたい方は、バーチャルオフィスを開業届に使うときの住所と納税地の考え方も確認しておきましょう。
参考:所得税・消費税の納税地の異動又は変更に関する手続|国税庁



請求書に使う住所と、税務手続きで使う住所を同じものとして考える必要はありません。取引先に自宅住所を出したくないなら、まず省略できるか確認し、必要になった段階で事業用住所を検討すると無駄がありません。
フリーランスの請求書と住所に関するよくある質問
- 請求書は住所なしでも発行できますか?
-
適格請求書の必須記載事項に、発行者の住所は含まれていません。住所を載せない場合でも、氏名または名称、登録番号、取引年月日、取引内容、税率ごとの金額など必要な項目は記載してください。
- インボイスには自宅住所を書かなければなりませんか?
-
自宅住所は、適格請求書の必須記載事項ではありません。国税庁が示す発行者側の情報は、氏名または名称と登録番号です。
- バーチャルオフィスの住所を請求書に書けますか?
-
事業用住所として利用できるバーチャルオフィスがあります。ただし、サービスやプランによって住所の利用範囲が異なるため、請求書への記載を予定している場合は契約前に確認してください。
請求書に自宅住所を書きたくないなら必要性を確認しよう
フリーランスが発行する適格請求書では、発行者の住所は必須記載事項に含まれていません。自宅住所を載せたくない場合は、まず取引先へ住所なしでも受け付けてもらえるか確認しましょう。
取引先から住所を求められた場合は、事業用住所を用意する方法もあります。請求書だけでなく、Webサイトや名刺などでも自宅住所を使いたくないなら、バーチャルオフィスを検討する余地があります。



請求書に必要な情報を確認するだけで、自宅住所を不要に伝えずに済む場合があります。住所を使う場面が増えてきたら、プライベートと事業の住所を分ける方法も検討してみてください。
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脚注・用語解説



