バーチャルオフィスを調べていると、「怪しい」「危ない」といった言葉が出てきて、契約してよいのか迷う方もいるでしょう。
実際、郵便物受取サービスが犯罪に悪用された事例はあります。一方で、それだけを理由にバーチャルオフィスそのものを「怪しいサービス」と判断するのは適切ではありません。
大切なのは、なぜ怪しいと言われるのかを理解したうえで、本人確認や利用審査、運営会社の情報、契約条件を確認することです。
編集長本記事では、バーチャルオフィスに不安を感じている方へ向けて、「利用して大丈夫なのか」という疑問に絞って解説します。
- バーチャルオフィスが怪しいと言われる理由
- バーチャルオフィスを利用しても問題ないのか
- 契約を避けたほうがよいサービスの見分け方
- バーチャルオフィスを使うと自分の事業まで怪しく見えるのか
バーチャルオフィス自体が怪しいわけではない


バーチャルオフィスは、事業用住所などを利用できるサービスです。少なくとも、バーチャルオフィスという仕組み自体を一律に違法とするものではありません。
消費者庁も一定の条件を満たした場合について、「バーチャルオフィスの住所及び電話番号を表示することによっても特定商取引法の要請を満たせる」と説明しています。
「怪しい」と感じる背景は、主に次の3点です。
- バーチャルオフィスを利用すること自体が違法なわけではない
- 過去に犯罪へ悪用された事例がある
- 同じ住所を多くの事業者が利用する場合がある
では、それぞれ確認していきましょう。
バーチャルオフィスを利用すること自体が違法なわけではない
バーチャルオフィスを契約し、事業用住所として利用する行為そのものが直ちに違法になるわけではありません。
たとえば、住所利用と郵便物の受け取り・引き渡しを行う郵便物受取サービス業者は、犯罪収益移転防止法1の規制対象です。警察庁は、犯罪への悪用を防ぐため、取引時確認などが適正に行われるよう取り組んでいます。
通信販売の住所表示についても、消費者庁は一定の要件を満たせば、バーチャルオフィスの住所・電話番号を表示する方法を認めています。たとえば、運営事業者が利用者の現住所などを把握し、双方が確実に連絡を取れる状態であることなどが条件です。
ただし、バーチャルオフィスならどの用途にも使えるわけではありません。法人登記2、特商法表記、許認可が必要な事業など、目的に応じた確認が必要です。
「怪しい」と言われるのは仕組みや過去の悪用事例が関係している


バーチャルオフィスが「怪しい」と見られる背景には、実際の事務所を借りずに住所を利用できる仕組みと、過去に犯罪へ悪用された事例があります。
警察庁は郵便物受取サービスについて、特殊詐欺などで被害金等の送付先として悪用されている実態があるとしています。2025年公表の犯罪収益移転危険度調査書でも、こうしたサービスが持つ匿名性などをリスク要因として挙げています。
ただし、犯罪への悪用例があることと、一般の利用者がバーチャルオフィスを使うことは、分けて考えなければなりません。
郵便物受取サービス業者には、対象となる取引について取引時確認や記録の保存などが求められています。
過去の事例だけで判断せず、契約者の本人確認や利用審査を行っている運営会社かどうかを見ることがポイントです。
同じ住所を多くの事業者が使うため不安に感じる人もいる
バーチャルオフィスでは、1つの拠点住所を複数の利用者が事業用住所として使うことがあります。
したがって、住所をインターネットで検索した際に複数の会社や個人事業者が表示され、「実体のない会社なのでは?」と不安を持たれる可能性はあります。
しかし、同じ住所を利用している事業者が多いことだけで、会社やサービスの信頼性を判断することはできません。
取引先からの見え方が気になる場合は、住所だけでなく、ホームページに事業内容や問い合わせ先、運営者情報などを掲載し、「何をしている事業者なのか」が伝わる状態を整えておくことも大切です。
バーチャルオフィスを選ぶ際も、住所の見栄えだけではなく、運営会社の情報や本人確認、利用審査を確認しておきましょう。



「バーチャルオフィス」という名前だけで判断するのではなく、実際の仕組みと契約先の運営体制を分けて確認することが大切です。
※下記のサービス名をクリックすると、紹介記事へ移動します。
| サービス | 月額料金 | 法人登記 | 郵便物転送 | 電話転送 | 電話秘書代行 | FAX | 向いている人 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
GMOオフィスサポート | 660円〜 | ※転送ありプラン | ※月1・隔週・週1転送プラン | 料金を抑えて事業用住所を用意したい人 | |||
DMMバーチャルオフィス | 660円〜 | ※ベーシックプラン | ※週1回 ミニマムは受取対象に制限あり | ※固定電話セットは 新規受付終了 | ※AI秘書オプション | 低コストで住所を使いたい人 | |
レゾナンス | 990円〜 | ※月1・週1回、写真通知あり | ※オプション | ※オプション | ※オプション | 法人登記や都心住所を低コストで使いたい人 | |
NAWABARI | 1,100円〜 | ※ビジネスプラン | ※週1回、写真確認あり | ※オプション | ※オプション | ※オプション | ネットショップ・複数屋号・プレゼント受取などに使いたい人 |
ワンストップビジネスセンター | 5,280円〜 | ※全プラン | ※全プラン週1回転送込み | ※ビジネスプラン以上 | ※プレミアムプラン | ※ビジネスプラン以上 | 郵便物転送・会議室・電話対応まで考えたい人 |
※料金・対応プラン・オプション内容は変更される場合があります。申し込み前に、各サービスの料金プランと利用条件を確認してください。
※郵便物転送の送料・手数料込みは、各社の条件内での対応です。サイズや重量、スポット転送、宅配物などは別料金になる場合があります。
6つの質問に答えると、重視する条件に合いやすいサービスを5社から判定します。
※診断結果は、各社の公開情報をもとにした選択の目安です。料金・対応サービス・キャンペーン等は変更される場合があるため、申し込み前に各サービスの案内で最新情報をご確認ください。
怪しいバーチャルオフィスを避けるなら契約前に運営体制を確認する


バーチャルオフィスへの不安を減らすには、料金や住所の立地だけで決めず、運営会社の情報や契約時の確認体制まで見る必要があります。
とくに、会社概要が明確か、本人確認や利用審査を行っているか、料金・解約条件が分かりやすいか、自分の用途に対応しているかを確認しておきましょう。
「安いから怪しい」「有名だから安心」と単純に判断せず、契約前に確認できる情報を一つずつ見ていくのがポイントです。
運営会社の情報が明確か確認する
契約前に、バーチャルオフィスを運営している会社の情報を確認しておきましょう。
会社名や所在地、問い合わせ先、サービス内容などが分かりやすく掲載されているかを見るだけでも、運営実態を判断する材料になります。
とくに注意したいのは、料金の安さだけを強調し、運営会社についてほとんど情報がないケースです。問い合わせ方法が極端に限られていたり、利用規約や会社概要を確認できなかったりする場合は、契約を急がないほうがよいでしょう。
バーチャルオフィスは事業用住所として長く使う可能性があります。住所だけを見るのではなく、「誰がこのサービスを運営しているのか」まで確認して判断しましょう。
本人確認や利用審査が行われているか確認する


契約時に本人確認や利用審査を行っているかも確認しておきたいポイントです。
犯罪収益移転防止法では、対象となる郵便物受取サービス業者に取引時確認などの義務を課しています。
さらに、運営会社独自の審査を設けているサービスもあります。
たとえばワンストップビジネスセンターでは、個人契約では写真付き身分証明書、法人契約では履歴事項全部証明書や代表者の写真付き身分証明書などを審査書類として求めています。
審査があると申し込みの手間は増えますが、不適切な利用を防ぐための確認体制を見る材料になります。
「すぐ使えるか」だけではなく、どのような本人確認や審査を経て住所を貸しているのかまで確認してみてください。
実際の審査で確認される内容や、申し込み前に準備しておきたいことは、以下の記事で確認できます。


料金・郵便物・解約条件が明確か確認する
月額料金だけでなく、契約後に発生する費用や利用条件まで確認しておきましょう。
とくに見落としやすいのが、郵便物の転送料やオプション料金、最低利用期間、解約条件です。
たとえばGMOオフィスサポートでは、転送なし・月1回・隔週・週1回といったプランがあり、「転送なしプラン」では法人登記と郵便物受取に対応していません。郵便物についても、重量や転送方法によって料金が変わります。
郵便物を受け取る予定がある方は、月額料金だけでなく転送頻度や送料も確認が必要です。バーチャルオフィスの郵便物転送の仕組みや料金もあわせて確認してみてください。
料金表だけを見るのではなく、「自分の使い方なら実際にいくらかかるのか」という視点で確認すると判断しやすくなります。
自分が使いたい用途に対応しているか確認する
バーチャルオフィスを契約する前に、「何のために住所を使うのか」を整理しておきましょう。
同じバーチャルオフィスでも、利用できる範囲はサービスやプランによって異なります。
たとえば、次のような用途です。
- ホームページや名刺への住所掲載
- 法人登記
- 特定商取引法に基づく住所表記
- 郵便物の受け取り・転送
- 開業時の各種手続き
住所だけを事業用に使いたい場合は、郵便転送や法人登記が本当に必要かも整理しておきましょう。
バーチャルオフィスを住所のみで利用する場合の使い方も確認してみてください。
「バーチャルオフィスだから使える」と一括りにせず、希望する用途が契約プランの対象になっているかを見ることが大切です。



料金の安さだけで決めるより、「自分が使いたい住所の用途を満たしているか」を先に確認したほうが、契約後の行き違いを防げます。
バーチャルオフィスを使っているだけで自分まで怪しまれるとは限らない


バーチャルオフィスを利用すると、「取引先や金融機関から怪しい会社だと思われないか」と心配になる方もいるでしょう。
ただ、事業者の信用は住所だけで決まるものではありません。事業内容や連絡先、ホームページなどから、実際にどのような事業をしているのか確認できる状態も大切です。
ここでは、「バーチャルオフィスを使ったときの外部からの見え方」に絞って確認します。
取引先や金融機関の判断は住所だけで決まるわけではない


バーチャルオフィスを使っているからといって、それだけで事業者の信用が決まるわけではありません。
たとえば法人口座開設では、金融庁が示す取引時確認の内容に、法人の名称・本店だけでなく、取引目的、事業内容、実質的支配者の確認も含まれています。
したがって、「バーチャルオフィスの住所だから必ず審査で不利になる」とは一律に判断できません。
一方、各金融機関がどのような基準で口座開設を判断しているかについて、すべてが公開されているわけでもありません。「バーチャルオフィスなら問題なく口座を作れる」と断定することもできない点には注意してください。
法人口座への影響が気になっている方は、バーチャルオフィスで法人口座を申し込む際の審査ポイントも確認しておきましょう。
ホームページや連絡先など事業実態を整えておく
バーチャルオフィスを利用する場合は、住所だけで信用を補おうとせず、事業内容が外部から確認できる状態を整えておくことも大切です。
たとえば、ホームページには次のような情報を掲載できます。
- 提供している商品・サービス
- 事業者名や代表者名
- 問い合わせ先
- 営業時間や対応方法
- 必要に応じた会社概要や事業実績
住所を検索した際に複数の事業者が表示される場合、「その住所を使っている」という情報だけでは事業実態まで伝わりません。
取引先や顧客からどう見えるか心配な場合は、住所だけを気にするのではなく、「どのような事業者なのか」を確認できる情報まで整えておきましょう。



バーチャルオフィスを使うなら、「住所をどう見せるか」だけでなく、「自分が何をしている事業者なのか」を伝えられる状態まで整えておきたいところです。
バーチャルオフィスが怪しいか気になる人のよくある質問
- バーチャルオフィスは違法ですか?
-
バーチャルオフィスを利用すること自体が直ちに違法になるわけではありません。
消費者庁も、一定の条件を満たす場合には通信販売でバーチャルオフィスの住所・電話番号を表示する方法を認めています。
ただし、事業内容や許認可などによって利用できないケースがあります。実際の用途ごとに確認が必要です。
- バーチャルオフィスの住所だと取引先にバレますか?
-
住所を検索した際に、同じ所在地を使う複数の事業者やバーチャルオフィスの情報が表示され、利用に気づかれる可能性はあります。
ただし、バーチャルオフィスの利用が分かっただけで、直ちに信用を失うとは限りません。事業内容や連絡先、ホームページなども含め、実態を確認できる状態にしておくことが大切です。
- 同じ住所にたくさん会社があっても問題ありませんか?
-
同じ住所を複数の事業者が利用していることだけで、問題があるとは判断できません。
ただし、住所検索によって多くの会社が表示される場合はあります。外部からの見え方が気になる方は、契約前に利用予定の住所を検索して確認してみてください。
- 安すぎるバーチャルオフィスは怪しいですか?
-
料金が安いという理由だけで、怪しいサービスとは判断できません。
一方、低料金のプランでは郵便物の受け取りや法人登記などが対象外になっていることがあります。本人確認、運営会社、利用範囲、追加料金、解約条件まで確認して判断しましょう。
格安なバーチャルオフィスを探している方は「GMOオフィスサポート」を検討してみてはいかがでしょうか。
月額660円から事業用住所を用意できます。
住所表記だけでよいのか、郵便物転送や法人登記まで必要なのかを確認しながら、自分に合うプランを選びましょう。
\ まずはプラン内容をチェック!/
「バーチャルオフィスは怪しい」という印象だけで決めず、運営体制を確認しよう
バーチャルオフィスは、利用すること自体が怪しいサービスや違法な仕組みというわけではありません。ただし、郵便物受取サービスが犯罪へ悪用された事例があるため、契約先の確認は必要です。
運営会社の情報、本人確認や利用審査、料金体系、自分が使いたい用途への対応状況を見ておきましょう。
また、バーチャルオフィスを利用しているだけで事業者の信用が決まるわけではありません。ホームページや連絡先、事業内容などを整え、「何をしている事業者なのか」を外部から確認できる状態にしておくことも大切です。
「安いから怪しい」「バーチャルオフィスだから信用されない」とイメージだけで決めず、運営体制と契約条件を確認してから選んでみてください。



不安があるときほど、「誰が運営しているか」「どのような本人確認や審査があるか」「自分の用途に使えるか」の3点を確認しましょう。
脚注・用語解説








